私は君に恋をしました



エレベーターを使わない主義だったんじゃ・・・



奥原くんは普通にエレベーターに乗り込んで4階を押す。



エレベーターの中で壁に寄りかかっているのを見るとやっぱり立ってるのも辛いのかも・・・





エレベーターを降りると、すぐ目の前にドア。



どうやらワンフロアーに一戸だけらしい。





「こ、ここ奥原くん家?もう大丈夫ね??私、帰るけど...」




「......」



奥原くんはポケットか取り出したかぎを無言で差し込む。




「...聞いてる??」




「...仕事キャンセルになったんでしょ?」




「う、うん。でも、会社に戻らないと...」




「...上がっていけば?」




「えっ?...いや...いいわ。私はこれで...」




「...コーヒーくらいだすから。上がって?」




奥原くんはそう言うと、玄関のドアを空けて中に入ろうとする。




「コーヒーとか気を遣わなくていいから!!ほら、早くお風呂入って横になってて!」




・・・なんて私の言葉も聞いていないのか・・・





「ドア開けっ放しとか寒いから、早く入ってくんない?」





そう言って部屋の中に入って行った。




もぉ!!勝手すぎる!!なんなんだ、あの態度・・・



奥原くんの言葉なんて無視して帰ればいいんだ・・・帰れば・・・。





でも・・・「和歌さん、早くして...」と言われ・・・



仕方なくお邪魔する事になってしまった。