仕事を終えて、自宅の最寄駅に向かう。


アツに会う前に奥原くんにお金を返さなくては...。




18時45分かぁ...。


パッと見、まだ昨日のコンビニ前に奥原くんらしき人は居ない。


店の前で携帯をチェックすると、アツからメールがあった。





‘もう着いたぞ〜!まだかかる?’



‘お疲れ〜!今もう駅にいるんだけど、ちょっと用事あるからもう少し待ってて!!’







早く来てくれないかなぁ...奥原くん。


もう一度携帯で時間を確認して、顔を上げる。






「...あ...」



「...こんばんは。」






目の前に制服姿の奥原くんがいた。





「っあ...こんばんは。ちょっと待ってね...えっと...いくらだっけ...ごめん、細かいのないからとりあえず...」



バッグから財布を取り出して、千円札を手渡した。




「...お釣り...俺も今細かいのないんだけど...」




「いいのいいの!お釣りは!そのまま受け取って!!ほんと、昨日はありがとうね~助かりました。」




「...それはいいんだけど。」




「...んじゃぁ、私はこれで。奥原くん、本当にありがとう。」





そう言って奥原くんの横を通り過ぎようとした。