純ちゃんの恋バナのあと、昨夜のおでん事件を話した。
奥原君に‘また俺に逢いたいとか?’と言われた事、頬を触られた事、今夜お金を返す事、今朝偶然見かけた事。
「へぇ〜いまどきの高校生はそんな事いうんだ?…で、そのなんとか君はかっこいいの?可愛いの?」
「奥原くんね…カッコいい感じかなぁ。雰囲気も大人っぽくて、高校生とは思えない感じ…
でも!年上女に興味ある年代だし、なんていうか、なめられてるみたいで腹が立つっ!‘あんたも俺に惹かれるだろ?’みたいな?」
「まぁ、確かに。その年頃の男の子は年上女を連れて歩くのがカッコいい〜みたいなのはあるよね〜。でも〜社会人のあたし達が高校生なんて相手にするわけないし!
将来有望なカッコいい大学生は有りだけど♪」
「えぇっ?!ないないっ!
私、年下無理だわぁ…」
「和歌は彼氏しか見えてないからよ。
年下くんは年下くんでいいかもしれないよ〜?」
「そうかなぁ。年下ってなんか頼りないイメージあるし…ってか、そういう純ちゃんは矢野君しか見えてないじゃない?」
「そりゃそうよ。今はね〜!
ま、とにかく。その子とはお金返して終わり〜って感じね〜」
「奥原くんにお金返したあと、彼氏と会う約束してるしね♪」
「そんだけ好きだったら結婚しちゃえばいいのに〜…あ。矢野君だっ!ちょっと行ってくるね!またその高校生の話聞かせてっ!
矢野く〜ん!昨日の書類の件だけどっ!…」
また聞かせて…って言ってもお金返すだけだし。
それから終業まで私は奥原くんの事は全く頭になかった。

