鈴夜くんは何ともマヌケな顔をしている。

「鈴夜くんの笑顔だよ。」

そう言って私は微笑んだ。

「本当か?気がつかなかった。」

それにしても、こんなに性格がいいのに本当にモテないのかな・?

鈴夜くんをじっと見た。

「え・・!?何?どうした!?」

鈴夜くんが慌てて言った。

「えっと、鈴夜くんはモテないのかな?て思ったから。」

鈴夜くんは不思議そうに眼をぱちぱちさせている。

「モテないよ。それに、苦手なんだ。キャーキャー言ってる女子が。」

確かに、私もあまり好きじゃない。

「そうなんだ。私は違うの?」

「ちがうよ!いつも冷静だし、でも優しそうな眼をしてる。」

そんなこと言われたのは初めて・・。ちょっと嬉しかった。

今までに言われたことといえば(おとなしそう)とか(暗い)とか(怖そう)とか、悪いことの方が多かったのに・・。

「本当に?そんなこと初めて言われた。」

「本当だって!」

男とこんな風に話をしたことなかったから不思議な感じ。

「だから、華月に友達になって欲しいって頼んだんだ。俺を受け入れてくれそうだったから。」

私ってそんな印象だったんだ・・・! ちょっとびっくり。

「鈴夜くん、ありがと。」

「あ、あぁ、どういたしまして」