翌朝は いつもより早く目が覚めた

帰宅したままの部屋を手早く片付ける

テーブルの上には 彼が口をつけることのなかったカップが寂しげに乗っていた



顔に張り付いた髪をかき上げる

そういえば シャワーも浴びていなかった



熱めのシャワーを全身を浴びた


昨夜 彼が触れた部分に手をおいてみる

唇に 首に 肩に 胸に……


彼の名残を感じたかった 


首を振って それらの想いを振り払う

想ってはいけない人だから


体を拭いて 何気なく鏡に目をやると そこには 彼の名残が映し出されていた


肩先と胸元に 血の滲んだような跡




振り払ったはずの 彼への想いが急激に蘇り 

泣き腫らした目から また涙が溢れてきた