「あ、あれ、泣いとんの?」 なっ・・・神様のばか・・・ばれちゃってる・・・ 「・・・てか、誰・・・」 「あ?オ・・あっ、アタシは今日転校してきた坂咲翼や。」 「翼・・・」 「おう!そう呼んでな!・・・てか、なんでないとるん?」 「なんでもないけど・・・どうしてここにいるの?」 「あー、アタシここ、通り道なんだわ。ほな一緒にかえろーや。たってたって、ぬれるで?」 そういって翼は手を差し伸べた。 私はその手につかまった。 女の子なのに、力強い、あったかい手だった。