母は兄を構ってばかりだった。わたしのランドセルがボロボロなのに気付いてもくれないのだ。 それがいちばん悲しかった。わたしだって母に構ってもらいたい。 『もう学校に行きたくない。』 わたしは泣いて母にそう言った。 「どうしたのよ?」 母はため息をついた。 『イジメられるから。行きたくない。』 そう訴えて、その日学校を休んだ。