それからわたしは毎日保健室登校を始めた。

こんな場所があるならもっと早く来ていれば良かったと思った。

戦い続けなくても良かったのだ。こんなふうに逃げ道を選ぶことだってできた。

もう自分を苦しめなくてもいいんだ。


そう思っていた矢先、悪魔がやってきた。


保健室の扉が勢いよく開かれた。


「山崎!!」


保健室に入るなり大声をあげたのは、担任の西口だった。

西口は普段は大人しく、生徒には頼りにされずむしろバカにされているような教師だった。