公園でわたしは一人でブランコに座り合唱コンクールの課題曲を口ずさんだ。 課題曲は希望に満ちた未来を歌った歌詞だった。 わたしの頭に描く未来は幸せで溢れている。だから生きていられるのだ。 小さい頃、この公園で母と兄とわたしでよく遊んだ。 兄は車椅子から降りて砂場に座り砂遊びをして楽しそうに笑っていた。 わたしは滑り台で何度も何度も滑って遊んだ。 そんなわたし達を見て母は微笑んでいた。 あの頃はこんな日がくるなんてちょっとも思っていなかったのに。