「みんな他人任せなところがない?各自自信を持ってしっかり声を出しなさい。」
そう助言された。
そう言われたパートリーダーの笹島が急に不機嫌になった。彼女は人に指摘されるのをひどく嫌った。
笹島はわたしを睨み付けてきた。
「おい。山崎ちゃんと歌えよ。お前のせいでグランプリとれなかったらどう責任取るんだよ?」
ただでさえ切れ長の目が更に鋭くなっていた。
『わたしなりにちゃんと歌ってるよ。でももっと頑張るから練習しよう。』
わたしのこの発言が気に入らなかったみたいだ。笹島はわたしの腕を掴み引っ張った。