蓋が開けられたままのピアノの楽譜立てに乗っていた楽譜が風にふかれて俺の足元まで飛んできた。 膝にてをついて拾い上げる。 これ、さっきの曲だろうか。 覗きこんではっとする。 「うそ…だろ…?」 その楽譜は手書きの楽譜だった。 思わずピアノに近寄ってのこった楽譜を確認するが全て手書きだった。 題名はつけられていない。 しかも最後まで出来上がってなくて、書き途中である。