生徒が出入りできる場所で、唯一冷房の入るのが図書室である。 その図書室の隅の、本を読むためであろう机に伏せて俺は昼寝をしていた。 どうせ次の授業は古典だ。 先生も怖くねえしいっか。 パチンとケータイを閉じ、椅子から立ち上がる。 暑いからまだYシャツは脱いでおこう。 明るめのブラウンに染められた髪が目にかかっていたので無造作にかきあげる。 深くため息をつく。 息のしにくい暑い教室に、行こうか。