幼なじみをやめるまで

「探した」


スルリと私の奥底に入り込んできたその声は、体の中から暖めてくれる。




肩にかけられたジャージをギュット握り、振り替えると、困った顔をした千裕が立っていた。


「携帯も繋がらないし、カバン置きっぱだし?何やってンの?」


「…………」

「とにかく帰るぞ」


ジャージのファスナーをジャッと閉めてから私を引き起こした。


「千裕……ありがと」

「ああ、ウチ着いたら話せよ?」