幼なじみをやめるまで

自販機の影に隠れてどの位の時間を過ごしただろう。


電車は数本到着して、その度に横目でチラチラと見られた。

だけど、誰も『大丈夫か』と声はかけてくれない。
ますます孤独になる。



いつまでもココにいるわけにはいかない。


4月とはいえ、日陰にずっといた私の体は寒さでガタガタと震えだした

不思議なもので、寒さを感じると涙がとまった。



「ふぅー」

ため息をひとつ吐いて立ち上がろうとしたとき、フワッと背中から何かが掛けられた


それは、とても落ち着くなつかしい匂いがする。