中途半端な時間の電車は、乗客も少ないけど、下を向いてなるべく他の人に顔を見られないようにした。


ギュットスカートの裾を握りしめていないと、また涙がこぼれ落ちそうだ


未だに煩くなり続ける心臓は、自分ではコントロールできそうにない。


目を閉じるとさっきまでの光景が瞼の裏に写し出される。


握ったスカートを、一層力を込めて握る 



泣いちゃダメだと自分に言い聞かせれば、反対に鼻の奥がツーンとし始める


ポケットから携帯を取りだし、混乱した自分の整理をしてもらおうと、舞子にメールを打った



『今から会える?』