「ね?咲聞いてる?私も一緒に練習できるんだよ?喜んでよ」


私の腕を取り、甘えるようにブンブンと振る加奈子



「一緒じゃない」

「えっ?」


「一緒なんかじゃない!私ダメだった。身長低いからダメだって……だから、一緒なんかじゃない!」


最後の叫びは聞こえなかっただろう。
パシンと握られた手を払いのけて廊下を走り出した。



「咲ー!」


後ろで呼ぶ声がしたけど、振り返らなかった。