幼なじみをやめるまで

なんとか『女子バスケ部』と書かれたドアの前までたどり着く頃には、私の息は上がっていた。


「やだ、咲息切れ?春休み中トレーニングサボったなぁ?」


ゼーゼーいってる私の鼻を摘まみながらケタケタ笑う加奈子



「ち、ちょっと余計苦しい……」


パシンとその手を払ったけれど、全然気にする様子もなく笑い続けている。


「ごめん、ごめん。ついね…咲って弄られキャラだよね。苛めなくなっちゃう」

「………」



初対面の加奈子に『弄られキャラ』にされたことに、少しムッとした。


「もぅ!そうやって剥れないの。ますます苛めなくなっちゃうでしょ?」