「佐久間君、あの…ちょっといいかな?」

制服の胸に赤い造花の花を付けたその子は、私達と同じ卒業生で、たしか2組のなんて名前だったっけ…



「なに?」

恥ずかしそうにやっと勇気を振り絞って今声をかけたんだと思うその子に向かって、その男が放った言葉は、あまりにも簡潔で冷たく響くものだった。



「えっ?」と喉が潰れたような声を出して、その表情が固まる。


無理もないよね