幼なじみをやめるまで

「おい、咲待てよ」

自分の中で何かが変わっていくことを認めたくない

認めるのが怖い。
この心地よい関係を崩すことなんて、私の中から全てを奪い去られることに等しい。


だから、こんな時はいつも「何も感じなかった」と心で唱えて忘れることにしている。



「咲!どうした?」


今だって……


「うん?何でもないよ」

とびっきりの笑顔で否定した。