幼なじみをやめるまで

「どっかぶつけた?」

心配そうに顔を覗き込まれる




「う、うん大丈夫。ごめんありがとう。ハハハ」





心配する千裕を無視して歩き始める。
もちろんこれ以上顔を見られたくなかったから。




いつからだろう、小さい頃はお互いに男だ女だって意識なんてしたこと無かったのに。

ううん、今だって千裕を『男だ』って意識することなんて無いんだけど、時々、今みたいに「千裕が自分と違う生き物だ」と感じてしまう時がある。