幼なじみをやめるまで

家を出るとすぐに下り坂。
自然と加速するのについて行くのがやっとで、足がもつれそうになる。


「咲!もう少し早く走れよ」

「ちょっと!千裕と同じペースで走れるわけないでしょ?離して。先行っていいよ」


繋がれた手を振りほどこうとするけれど、千裕は離す気が無いらしい。



「きゃっ!」

遂に自分の足に引っ掛かってしまった。


転ぶと思って目を瞑る





――あれ?痛くない



そっと目を明けると、目の前は真っ暗