幼なじみをやめるまで

「咲、辛かったね?」


潤が優しく髪を撫でてくれる。


もうずっと前、千裕のファンの子に嫌がらせをされていた時も、潤が気づいて今みたいに撫でてくれたのを思い出した。



「潤に、こうしてもらうの久しぶり」

「うん?」




潤の手は、まるでママみたいに私の心まで撫でてくれているようで、うっかり眠ってしまいそうな程心地よい。




「いつだったかも、こうして撫でてもらった」

「ああ」