「ハッピーバースデー!夕夏(ゆか)!
これ、私からのプレゼント♪」


そう言って、手のひらサイズのピンクの薄地で包まれた小包を渡された。


今日は17回目の誕生日である私、安藤(あんどう)夕夏は、高校から親しくなり、今では親友でもある夏々(なな)がプレゼントを渡したいと言われて、近くの喫茶店にいる。


「ありがとう!」


今は八月中旬。


私の誕生日は夏休み真っ最中なので、忘れられる事が多いのだけど、こうやって当日に祝ってくれる友達がいるなんて、嬉しすぎる。


「さっ、早く開けてっ」


反応を見たいのか、開けようと急かす夏々。


結ばれていた黄色のりぼんをほどき、袋の中に手を入れて取り出してみた。


手触り的には、平べったいお菓子のようなものだったが、出てきた物は、予想を大きく外した。