踏ん張る、足。
「俺、中入りてーんだけど・・・」
「はい。どうぞ」
にこっと笑顔で返す。
「ん、じゃあ・・・行こ?」
「だから、どうぞ」
「・・・・」
ぐいぐいっと引っ張られる腕。
「あのさ、ミコちゃん。入口で止まってたって、なあんもなんねぇよ?もう、料金払っちまったしよ」
「はぅぅ・・・だ、だって・・・・」
思った以上に、中が暗かった。
もう少し明るいのかと思ってたけれど、真っ暗で、隣に蓮がいるかすらも確認しづらい。
「だから、俺にひっついてもいーんだよ?」
おいで、と両腕を広げる蓮。
「だから、い き ま せ ん!!」
