濡れている子の顔がこわばる。
モップを濡らし終わったあと、びっちゃびちゃのモップの先を、その子に擦りつける。
ゴシゴシ、と。
絶対的に、トイレの床を掃除し終えたあとであろうそのモップを容赦なく、面白そうに擦りつけるギャル2人。
(な・・・・・・・・・)
その光景に、唖然。
「や・・・めてっ・・・・・」
悔しそうに顔を歪め、必死に抵抗する。
それでも、壁に追い詰められているその子に逃げ道なんて、ない。
本当に、何をやっているんだろうか。
この人たちは。
でも・・・
でも、あの子が嫌がっていることは、わたしでも見て取れた。
「・・・あ、あのっ!!!」
バッと足を踏み出し、大声を出す。
「ああ?」
ギロリと睨まれる。
・・・なんで初対面にこんなに睨まれなければいけないんだ。
