袖で手のひらを隠しながら、口元に手を当てて、言う。
「ど、鈍感・・・?い、今のは、そちらさんが悪いかと・・・・」
「は?僕のどこが悪いわけ?」
わたしの一言で気分を害したのだろう。
少し不機嫌そうにまゆをひそめる。
「あ、えと・・・その、な、名前、呼ばなかったじゃないで、すか・・・」
ビクビクと、わたしは答える。
「だって僕、アンタの名前知らないし」
ああ、そうだ。
自己紹介がまだだった。
「ご、ごめんなさい・・・。自己紹介遅れました」
さっさとしてよ、キャラメル頭からそんな視線が送られる。
「そういや、俺もお前の名前知らねぇ」
恭弥がソファの上で寝転がりながら言う。
「ご、ごめんなさい・・・。わ、わたしは京院、未華子・・・・です」
