あの夏の鳥



必死に必死に走った。

後ろからは南様の声が聞こえてくる。

それでも必死に走った。

後ろからは恐怖が私を追いかけてくるような気がした。

「無我夢中」

初めてこの言葉の意味がわかったような気がした。