「海岸に 死体があがったそうだ」


「そりゃ なんで また」


「どうやら……………」










山で囲まれたこの国に
海岸はひとつしかない。
そこに女の死体があがったことは
近辺に住む者なら誰でも知っている。


知っているだけならまだしも、
異常なほどの好奇の目を持った住人は
続々と海岸に集まっていた。



その、悲運な女を一目見ようと-………