「カイラ様、それでは、1週間後にお届けします。」
「ええ。またおしゃべりしましょうね。」
ひとしきり会話を終えるとミヤコは帰って行った。
「お姉さま、トモエではあの方一人ですの?」
「もう一人いるわ。ご主人の妹の、クロエ・ド・マチルダよ。彼女も既婚者ね。」
「二人で一週間は早いですわね。」
ローラは感心したように言う。何を隠そう、カイラはローラとルイーズの分まで仕立てたのだ。合計、15着。
「遅いほうよ。最近売れっ子だものだから。今までなら3日だったわ」
ローラは一瞬考え込む。自分が頼んでいる仕立て屋は、腕がいいと評判なのだが
届くまでに、3着で2週間はかかる。しかも、合計で10人はいるのに。
「ローラは今の仕立て屋にしときなさい。セルムーン子爵のご紹介なのでしょう?」
「な・・・何で知ってますの?お姉さま。」
「私も紹介されたのよ。ローラくらいの頃に。」
セルムーン子爵はカイラと同い年であるため、よく話すのである。
「ミヤコとはどう知り合いましたの?」
「ジルの紹介。。。よ。」
クライシス公爵と仲が良かったころに・・・だ。
そこで、クライシス公爵以上に彼女のほうがミヤコと気があってしまったのである。


