一週間、みっちりお嬢様演技の練習をした。

今日からはダンス。

私はダンスが大嫌いだ。

面倒だし面倒だし面倒だから。

いつもダンスパーティーに来ても、みてるだけだから。


「キール、相手してやれ。」

「兄上でいいじゃないですか。」

「俺は、ルイーズ以外とは踊れないから。」

ホント溺愛してる・・・。


「仕方ないですね。」

キール兄様ってダンス得意じゃなかったっけ・・・。

「俺は年下と踊る趣味はないんですが、カイラのためですから。」

なんかむっと来るよ・・・?


「ここでターン。次にステップ。回って。フィニッシュ。」

これを何十回も繰り返す。

「何で、女性のくせに、これくらいできないのですか。基礎の基礎ですよ。舞踏会でいつも何をしているんですか。カイラ。」

ニコニコいうキール兄様に恐怖を覚えました。


「カイラお姉さま。お稽古どうですか。もう、3時なので茶会でもしませんか?キールお兄様も。ローラお姉さまと、ルイーズお姉さまもご招待してますよ。あ、殿下はお父上がお呼びしておりましたよ。」

一息でニッコリ笑って言うカルラにキール兄様は笑いかけた。

「じゃあ、参加させてもらいます。カルラ。カイラも休憩しましょう。兄上は、残念ですね。」

ルディお兄様もニッコリ笑って


泣き出した。

「俺は?」

「殿下の分は用意できていません。軟弱ものなんて放っておけばいいわ。と、ルイーズお姉さまから承っております。」

まだ、10歳のはずなのに・・・。

「ぬ・・・。」


固まったお兄様は放っておこう。