「しかし、シュライン公爵はその時が、革命の時だと思っているのです。」

「つまり、」

「カイラ様を囮にし、革命をするということか?」

ついレオンの言葉を奪ってしまった。

「そういうことになります。」

「ふざけるんじゃない!!カイラ様は、我が国の王女だ!」

「シュライン公爵も、我が国の公子ですよ。」

心の中になぜか冷静じゃない俺がいる。

そして、冷静な自分もいる。

「これだけは、言っておきます。」

そう言って、ウォーカー卿は顔を上げた。

「もしも、カイラ嬢が来られた暁には、私が責任を持って、お守りします。たとえ・・・この命がなくなろうとも。」

言うな。こいつ。瞳も真っ直ぐだ。

「信用するぞ?ウォーカー卿」

「御意。では失礼いたします。」

忙しいやつだったな・・・。