カイラ様をこの場からどけることは成功した。

しかし、あいつは動かなかった。

つまりカルラ様が狙いか。

カイラ様なら一人で身を守れるだろう。

カルラ様はまだ危ない。

だから、宮殿の中に逃げるしかない。

そう思い、ミューズ様の部屋にまで連れて行き事情を説明した帰り道だった。

「ジル。」

「レオンか。王宮の警備はどうなっている。族が侵入していたぞ。」

「狼藉者が?!」

俺は、深呼吸をし、レオンに告げた。

「カルラ様を狙っていた。一人だったから、カルラ様を連れて逃げた。ただ、カイラ様も危ないだろう。」

「やはりな。。。屋内で剣の練習をさせるしかないのだろうか・・・。」

問題そこか?

「ただ一個、問題があってな。一人で乗り込んできたらしいんだが。」


ん?視線を感じる。

レオンじゃない。後ろから。

「後ろにいるのは誰だ。」

「驚かせましたか・・・。セルムーン子爵に用があって。」

「ウォーカー卿。一昨日会ったばかりなのに・・・。」

どうも、トモラエル公国の騎士らしい。

堂々と歩いていいのかが気になるが・・・。

「シュライン公爵の使いで参りました。あ、王宮にはいる許可はちゃんととりましたよ?ただ、迷子になったんですよねえ。あ、それで、公爵は今、大変苛立っております。気を付けたほうが良いですよ。」

そして俺のほうを見ると笑顔になった。


「クライシス公爵ですよね。俺のいえ、私の視線に気づいてカルラ王子殿下を宮殿に戻したんですよね。さすが、この西大陸1の男です。」