「基本的なのは、木葉隠しかしら・・・?」

カイラお姉さまは植物をこよなく愛している。

だからなのかは、知らないけど、必ずと言ってもいいほど、お姉さまの剣の技には植物が入っている。

「木葉隠しは、いわゆる、そうねえ・・・。ものすごく速いスピードで相手をきるのよ。」

お姉さまには基本でも僕のは基本じゃないですよ・・・?

「カイラ様、木葉隠しはカルラ様には難しいのでは?それより菊の構えのほうがよろしいのでは?」

「あら、ジル。でも、菊の構えは難しくないかしら。」

菊の構えは防御がない。ただ責めるだけ。ってお姉さまが前言ってた気がするなぁ・・・。

「今日は基本的な動作にして、明日、菊の構えにしましょう。」

基本的な動作を一日で覚えろということかな?!

無茶言わないでほしい。運動音痴の僕には無理だよ。

「そういえばカイラ様、王太子殿下が呼んでおりました。」

ルディアスお兄様のことかな。

うー。僕からお姉さまを奪うなんて。

「本当?!ジル。カルラの事頼んでいいかしら?」

「もちろんです。そのつもりで参りましたから。」


お姉さまはセレネ様なら決してやらないであろうことをした。

お母様でもぎりぎりやらない気がするなあ・・・。

いくらお母様が元庶民でも。