ユリナはいきなりアレンを抱きしめた。
「ユリナ?」
「あたしを・・・抱いて?」
「な\\\」
彼にはユリナがいつもより可愛くうつった。
「むむむむ無理だって。」
「好きなの。アレンが好き。」
一度でいい。自分の気持ちを伝えたい。ユリナはそう思った。
「分かってる。アレンがあたしのことなんとも思ってないって。だからほかの人を好きになる前に、あたしにチャンスをちょうだい。」
彼はコクリと頷いた。
「抱いてって言ったのは忘れて・・・。」
そしてユリナは彼ににっこりと笑いかけた。
「ごめん。」
「あたし、もうすぐお嫁に行かなきゃいけないの。」
ユリナはニッコリでも悲しそうに笑った。
「え?」
「シャロンってわかる?」
彼は頷く。シャロンと言えば、町で一番顔がいい医者だ。
「彼があたしを望んでくれている・・・。あたしは父に、答えなきゃいけないの。」
「・・・いつ?」
「半年以内よ。」
そして一夜の恋人たちは、お互いの知らなかったことを一晩話し続けた。


