月の美しい夜。

彼は、一人街を歩いていた。

「アレン!!」

「ユリナ?」

アレン・ウォーカー。大公の庶子だ。彼の母親の身分はとても低く、大公の後宮10人が限界だった。

そして、彼の母親は11人目だった。

「お勤め、ご苦労様。」

彼は兄である、クライシス公爵の下で働いていた。

しかし、彼は公爵が兄であることを知らない。もちろん自分が大公の庶子ということも。

「ユリナ、どうしたんだ?」

「あのね、   クライシス公爵閣下が、革命を起こすって。」

彼には途中聞き取れなかった。

「閣下が何?」

「革命を起こすって・・・。」


かくめい。。各名・・・kakumeiと意味を変換していく。

「かくめい。へ~。kakumeiかあ・・・革命?!」

「だからそうだって言ってんでしょう!!」

彼は一瞬悩んだ。

身分が低いのに剣術しかとりえのない自分を騎士団に入れてくれたのは公爵だ。

しかも彼の地位は今や、貴族と変わらない。

トモラエル公国は確かに実力主義に変わりはないが、もちろん、成金や、実力でのし上がったものは貴族から嫌われる。

「俺・・・、寝るわ。」

「はあああああ?!この一大事に寝るってどういうことよ!!」

寝る子は育つ~と言い残し彼は歩き出した。

「もう、アレンも20なのに・・・。」

もうそろそろ、結婚してもいいくらいだ。

トモラエル公国の女性は、18から20で結婚する。
男性は20から25なのだ。

「閣下だって、24なのにまだ結婚してないからダイジョーブだって。」

「・・・好き。」

「ん?」

ユリナは自分の気持ちが伝わらないことなどとっくにわかっていた。