「ご配慮感謝いたします。シュライン公爵。」
「これはどういうことだ?」
途中で渡された紙には目を疑うことが書いてあった。
「これは我が国が独自に調べ上げた、公爵のお父上、大公殿下により戦争になった際の被害額でございます。そして、大公殿下は、この南大陸では禁止になっている、魔術を行っているとお聞きしています。」
「おっしゃる通りだ。」
彼は肯定した。自分に力がついたとき革命を起こすと決めていた。
いつの日かわからないが、トモラエル公国を国民が豊かに平和に暮らせる国を作ると。
「父は魔術を行っている。正妃様も、兄上も、私の母もだ。」
「こちらと組みませぬか?」
彼は目を丸くした。もちろん革命をする時は、父を裏切ることは決めていた。
しかし、こんなに早く決まるとは思っていなかったのだ。
「よろしいのか?」
「もちろんでございます。しかし、うまくいった暁には我がカドミルタ王国第一王女カイラ・カルタ・カドミルタルを正妃としていただきたい。」
「了承した。」
カイラは美人だと聞く。
「こう、カイラ嬢を押しておきながらこんなこと言うのは失礼ですが、その」
彼は頭のクエスチョンマークを思い浮かべる。
「彼女は特殊な人間でして・・・。趣味が寒中水泳だったりいたしますが・・・。」
彼は微笑んだ。
なぜなら彼の趣味も寒中水泳だった。
「語学はもちろんのこと算術、占星術、医学まで会得しており役人であり、騎士でもありますが。」
「それくらいの女性のほうが素敵じゃないか。」
「第六感もございますが?」
「ぜひ私もほしいな。」


