カルタの庭で


月の輝く夜。

彼女の金髪が揺れる。

白とも金とも銀ともいえる綺麗な髪が。

彼女こそ、王宮の離宮であるこのカルタ城の主人であり、

カドミルタ王国の王女、カイラである。

カルタ城は、カドミルタ王国の首都であるドルタの東に位置するカルタ領の、真ん中にある。

幼く女性でありながらも、彼女の能力と地位のおかげで、カルタ領はカドミルタ王国の中で三番目に大きい領地なのだ。

まず王宮のある、ドルタ領。

次に、第二王子の持つカミル領。

そして、第一王女であり、騎士であり、役人である彼女の持つカルタ領。

カルタ領は、実質、騎士たちの教育の場なのである。

だからと言って彼女も男らしくずっとふるまっているわけではない。

第二王子であり、兄である、キールとともに茶会をしたり、

妹である、 ローラとともに、音楽に勤しんだり。

弟である、 カルラとともに、乗馬をしたり。

兄嫁である、ルイーズとともにドレスを見立てたり。

王太子であり、兄である、ルディアスの催す、ダンスパーティーに参加したり・・・。

こうした月の美しい夜は、

一人カルタ城の薔薇園で過ごすのである。