「ホントに、俺を見つけてくれたんだな、ミサト」

「…うん。約束だから」


 エイジは一瞬、ミサトを抱き寄せる。

 だがすぐに、どちらからともなく真顔に戻って。


「ユイは?」

「ロンを殺しに行く、だとよ。ユイは、長老を殺したロンに対して、反乱を引き起こした」

「反乱…」


 やっぱり、とミサトは思う。

 最初に会った時から、やることが大胆で大雑把。

 でも。


「キライじゃないな、そういうの」


 ミサトは笑う。


「それはそうと、あいつは?」

「下で戦闘中よ。ツァンダオとか言う、ナイフ使いの殺し屋」


 どうしてこの二人は、お互いに“あいつ”と呼び合うのだろう、とミサトは不思議に思う。


「ユイは何処に?」

「西側の最上階。ここの案内なら、任せておけよ」

 二人は部屋を出て、廊下を走る。