無表情のまま、その写真を見つめるツァンダオ。


「女はレンと一緒にいる。そっちは任せたぞ」

「…わかりました」


 ツァンダオは、部下を引き連れて部屋を出て行った。

 ロンは椅子の背もたれに深く寄りかかり、険しい目付 きで中空を見つめていた。


「どうか、されましたか?」


 顔色の優れないロンに、部下が声をかける。


「……いや。だが、万が一ということもあるからな…」


 もう少しで、巨万の富と権力が手に入る。

 こんなところで、失敗はしたくはないが。

 ロンは部下にいくつか指示を出すと、ゆっくりとオフ ィスを出ていった。