「だからあなたは今すぐにここから姿を消したほうがいい。これはあくまで『内部抗争』なの。だからあなたは、ここにいちゃいけない」

「どうしてだ?」

「その答えは、自分で見つけるのね…思い出して、本当のことを」


 ユイはそう言って、エイジの頬に自らの手のひらを添える。

 そして、その唇を引き寄せた。


「……生きて。あなたを、迎えに来た人もいるわ」


 唇を離し、立ち尽くすエイジにそう言い残して、ユイは部屋を出て行った。


「俺を…迎えに…?」


 エイジは、開け放たれたままのドアを見つめた。