「…あぁ…かわいいって罪…」


 一人ごちて、がっくりとうなだれる。

 その時、いきなり後ろからナップザックが引っ張られた。


「あのねェ」


 引っ張られる力に逆らわず、ミサトはぐっと後ろに体重をかけた。

 バランスを崩した男は、ミサトもろとも地面に倒れこむ。

 すかさず身体を反転させてミサトは起き上り、まだ狙ってくる仲間らしき男たちの手をすり抜けて、思い切りナップザックを振り回した。

 頭や顔に当たった男たちは、たまらずに少しミサトから離れる。

 それをいいことに、ミサトは道の真ん中に座り込んでナップザックを広げて、何やらごそごそと探し始めた。