「シャワー浴びてきていいわよ。あたしはちょっと、この地図見てるから」

「だァからなんでテメェが仕切ってるんだよ」


 誰の家なんだよ、と文句を言いながらも、レンはバスルームに向かう。

 ミサトは気にせずにその地図を、じっと見つめた。

 バスルームに入ると、レン軽く顔をしかめた。

 着ていたシャツを脱ぎ、その脇腹を見る。

 撃たれた銃の傷跡は、運良く弾は身体の中に残っていないようだったが。


「………つ…」


 顔を歪め、これ以上血が流れないように応急処置をして、床についた血を洗い流した。

 ふうっと息を吐き、レンは鏡を見つめる。

 あのミサトという女。

 彼女は本当に、何も知らないのだろうか?