「持っていくの、それ?」
いきなり、ディーラーの女が声をかけてきた。
「そんな荷物、戦闘じゃ邪魔になるだけよ?」
「やぁよ、置いていくなんて。大金が入ってんのよ…って、何で?」
何故この女は、ミサトが部外者だということが分かったのだろう。
女はその質問には答えずに、すっと何処かに歩き去っていった。
少し気になったが、だんだんと騒ぎが大きくなるのを見かねて、ミサトは走り出した。
「レン!!」
スロットマシーンの影に隠れているレンを、ミサトはやっと見つける。
「てめェ今まで何処にいやがった!?」
顔を見るなり怒鳴られて、ミサトはむっとする。

