BRACK☆JACK~本章~

(…ぅわぉ)


 思わず声が出そうになって、ミサトは慌てて口を押さえた。

 アタッシュケースの中身は全部、札束だった。

 チェックを終えると二人は店の中に入る。

 高級ブランドの洋服を身に纏い、派手な宝石をつけている人々が、それぞれ賭け事を楽しんでいる。


「ほらよ」


 その光景にアットウされていると、レンはケースをミサトに渡した。


「何? くれんの?」

「やるよ」

「………マジですか?」

「その前に、化粧でも直したほうがいいんじゃねェのか?」

「そ…そうね、こんな大金見たら、なんだか緊張してきちゃった」


 ミサトはそそくさとレストルームに駆け込んだ。