「あたしの探しているモノ…」

「だから、何なんだよそれは」

「……言わない」

「はァ!?」


 レンは舌打ちをして、ワケわかんねェ、とソファに横になった。


「あんたはどうなのよ?」


 グラスをテーブルの上に置き、ミサトは言う。


「なんであんな連中に狙われたりしてるのよ。なんかヤバい橋でも渡ってるの?」

「…ま、そんなトコだ」

「どんな橋よ」

「言ったらおめぇも巻き込まれるぜ?」

「…今更言うの? それ」


 ミサトの言葉に、レンは苦笑する。


「ある組織の情報を追ってる。それだけだ」


 …相当ヤバいわね、と深いため息をついて。

 だが次にレンに視線を戻したときには、もうすでに寝息が聞こえて いた。

 ミサトは、そっと毛布を身体にかけてやる。


(シャワー、浴びて来よ)


 今日は本当に色々な事があって、クタクタだった。

 ミサトはタオルを持って、そそくさとバスルームへ向かう。