「ところでよ、あのじいさん、知り合いなのか?」


 ウイスキーをひと口飲んでから、レンは聞いた。


「彼が日本にいた時に、会ったことがあるのよ。あんたこそ知ってるの?」

「…噂には、聞いていたがな」


 レンは、そう言うとソファに深く寄りかかる。

 いい加減服を着て欲しい、とミサトは思った。

 細く見える割りには、筋肉質な体格をしているが…正直目のやり場に困ってしまう。


「…ねェあんた、ホントに知ってるの…?」


 グラスを膝に置いて、氷がカランと音を立てるのをじっと見つめながら、ミサトは聞いた。

 何がだよ、とレンは首だけを持ち上げてミサトのほうを見る。