「・・・別に怒ってねぇよ。なんか理由があんだろ?」


怒ってるのかと思ったら、俺の心情を察してくれていたらしい。
何か・・・地味に嬉しいな、そういうの。


「あのさ、俺未来と別れたんだ・・・」


「はっ!?嘘だろ!?あんなにラブラブだった二人が!?」


「俺も信じられなかったよ。まさか未来が婚約者を選ぶなんて・・・」


「なぁ、翔。お前それでいいのかよ?」


「・・・未来が幸せになれるなら俺は・・・」


「未来ちゃんは、ホントは婚約者を選びたいワケじゃなかったんじゃねぇの!?」


「・・・・・・」


「俺は、お前ら二人を見てきた。未来ちゃんはホントにお前のことが好きだったんだぞ!?」


「もう・・・いいんだ・・・」


「あぁ、そうかよ!それでもお前男かよ!!好きな女も奪い返そうとしねぇのかよ。情けねぇな。未来ちゃんが婚約者選んで正解だったのかもな!!」


そういって龍は教室を出て行った。



―――『好きな女も奪い返そうとしねぇのかよ』



できれば俺だってそうしてぇよ!!
それができねぇから困ってんじゃんかよ!!

俺は・・・俺は一体どうすればいいんだよ!!