『武士ドルが斬る!?』〈前編〉



 「それが…今日一緒に組んだバイトの奴と京都から品川で荷物をおろして品川でまた荷物をつみ、ここに立ち寄ったんや。
 その後メシ食ってこれから出発やって時にバイトの奴が突然…“世話になった!”っていうて車を降りおったんよ…!

 最初なんやトイレにでもいくのか?って聞いたんやけど…シカトこいて出たまま戻ってけぇへんから…どうにも気になってもうてな…!
 そしたらちょうどええタイミングで会社から連絡きたさかいな‥今日のバイトの奴変わっとるな!って聞いたら京都府警から会社に連絡がきて…バイトの奴が保護されてるちゅうのを聞いてな!!

 じゃあ…俺が今まで一緒におったあいつは誰や!って話しであいつを追いかけようとしたら助手席にこれが置いてあったんや!」


 流暢な関西弁で説明してくれたおじさんは…青ざめた顔で私に金判を差し出した。


 「おーい!?」


 ちょうどその頃…異変を聞きつけ駆けつけた権田教授が私達の姿を見つけて駆け寄りおじさんの手にある金判に目が止まり一斉に声を揃えて張りあげた。