「殿っ―――!!
ご無事ですかっ―――!!」
人垣が崩れはじめまばらに散り始め音楽に合わせて踊る人の群れをかき分けてたどり着いたヤスケと柴田さんが殿の姿を見つけて走り寄った。
「…じゃあ…。」
その様子をチラリと横目でみたKen-sinは…彼らと入れ替わりで立ち去ろうとしたのがわかり彼に対して精神誠意の思いをこめて頭を深々て下げてお礼をいった。
「――どうもありがとうございました。」
言いたい事伝えたい事はたくさんあったけれど…すべての思いをその言葉に込めて私はKen-sinに感謝の言葉を込めて伝えた…。
その思いが伝わったのかはわからないけど…彼は立ち止まる事はしなかったけど…立ち去る背中越しに右手をあげて軽く左右に振りそのまま人込みの中に消えた。
「……カッコ良すぎだね…。
Ken-sin…,
キザな態度も全然キザに見えなかったよ…。
自然体すぎて…。」
立ち去るKen-sinの後ろ姿を見送る私を見ながら…諷馬が同じく人込みに消えた方向を見ながら呟き私も深く頷いた時だった――――。

