「…とにかく!?
落ち着いて下さい…!?
とにかく深呼吸…。
はい…!
吸って~!
吐いて~!
吸って~!
吐いて~!」
パニックにおちいっているおじさんは‥私のかけ声に合わせて呼吸を整える。
その様を見ていた諷馬が‥運転手の右手に握られた光るモノをみて声をあげた。
「姉ちゃん!
それ‥もしかすると‥!?」
諷馬の指差す方向を標におじさんの右手を凝視して私は思わずおじさんの手をとり我が目を疑った。
「もしかして‥!?
金判!?」
おじさんの手を自分の目の前に持ちながら私の目に飛び込んできた光る物体…金判はキラリと黄金の光を放ち堂々と輝いた。
「マジで…ヤバイ話になってきた。」
物的証拠の金判を目の前に叩きつけられた諷馬は…あまりにも出来過ぎた偶然に頭を抱えた。
「おじさん!
これ…!
どこで…?」
手に入れたんですかと言おうとした時…背後から何かの視線を感じ私は振り返った。
誰もいない…。
気のせいだったのかなあ?
振り返った視線の先を再度確認し周辺を見回したが夜間だというのに所狭しと並ぶ車が視界に飛び込んできた。

